市販のめんつゆは同じ濃縮倍率でも塩分濃度がかなり違う
普段と異なるメーカのめんつゆを購入して失敗しないための考え方

市販のめんつゆは様々なものがありますが、塩分量、濃縮倍率などの研究結果を報告します
メーカごとに違いが様々あるので面白いです
異なるメーカのめんつゆを購入して失敗することがある

たまたまスーパーでめんつゆの特売をしていて、いつもと違うめんつゆを購入して失敗したことがある人はおおいのではないでしょうか?
味が違うだけならともかく、やたり塩辛いとか、薄かったとか失敗することがあります。
また、同じ濃縮倍率のめんつゆでも微妙に塩辛さが違ったりして、めんつゆは難しいなと感じることも多いのではないでしょうか?
今回は各メーカのめんつゆについての研究結果を報告します。

意外と異なるめんつゆの濃縮倍率と塩分量

各メーカのめんつゆの塩分量や濃縮倍率、かけつゆのレシピの比較


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まずは上記の画像をご覧ください。
製品別の濃縮倍率や塩分量をまとめたものです。
「濃縮倍率」はざるそば、ざるうどんなどのつけつゆを作るときの倍率です。例えば濃縮倍率2倍の製品は、元のつゆを2倍まで水で薄めます。例えば、100mlの原液に水を加え200mlまで薄めます。これが濃縮倍率2倍です。
「かけつゆ倍率」はかけそば、かけうどんなどのかけつゆを作るときの倍率です。例えば4倍の製品は100mlの原液に水を加え400mlまで薄めます。
「100mlあたり塩分量」は原液100mlに含まれる塩分量です。
「そばレシビ」「うどんレシピ」は、それぞれのメーカのホームページで記述されているレシピに基いて、500mlのかけつゆを作るときに必要な原液の量と、その時の塩分量を記述しています。レシピはそれぞれ、例えば
「きつねうどん」「てんぷらうどん」などの一般的なレシピから500mlのかけつゆを作るのに必要な量を換算して表示したものです。
「醤油からの換算割合」は醤油大さじ1の塩分量と同じ塩分量のめんつゆの量を表しています。例えば、本つゆでは醤油大さじ1と本つゆ大さじ1.2は同じ塩分量になります。

濃縮倍率の比較

画像の濃縮倍率の項目をみると、各メーカにより微妙に倍率が違うことがわかります。
ミツカンなどは2倍濃縮で、キッコーマンなどは4倍濃縮になっています。
ということは、ミツカンをいつも使用している人がキッコーマンの本つゆをいつもと同じ割合で割ってしまうと、とてつもない塩辛いつゆになってしまい失敗してしまうことになります。
濃縮倍率はメーカとその製品ごとに2倍から4倍という違いがあるため注意が必要です。

この倍率というのは基本的に、つけつゆにした時の倍率です。
つまりざるそば、ざるうどん、釜揚げうどんなどに利用するときの倍率です。
かけつゆでは、かけつゆ倍率で利用します。
つまりかけうどん、かけそばなどで利用するときはかけつゆの倍率で利用します。
一般的にめんつゆの濃縮倍率はつけつゆの倍率で表示されています。

濃縮倍率が違うということは、もし仮に同じ値段でめんつゆを購入したら、倍率の高い製品のほうがより多くのつゆを作れるということになります。
なので同じ製品なら倍率の高い製品のほうがお得に利用できるということになります。
ですが、倍率が高いとどうしても出汁成分が少なくなると言われています。なので美味しさとしては倍率が低い製品のほうが美味しいと言われています。
このあたりは好みになりますが、自分好みの味で、できるだけ倍率の高い製品を選んだほうが価格的にも味的にもバランス良くめんつゆを利用できるということがいえそうです。

塩分量の比較

100mlあたりの塩分量の項目をみてください。
これは製品のめんつゆ100mlあたりの含まれる塩分量を表したものです。
濃縮倍率が高いほど塩分量が多いのは当たり前ですが、同じ倍率でも塩分量がかなり違うことがわかります。
例えばキッコーマン本つゆと創味のつゆを比較すると、同じ4倍濃縮なのに本つゆは13g、創味のつゆは16.4gと3gも違うことがわかります。
そのため同じ濃縮割合のめんつゆでも塩分量に違いがあるため、同じように割ってはかなり味わいに違うつゆができてしまう可能性があります。
そのためいつもと異なる製品を利用する場合には塩分量もチェックしておく必要がありますね。

メーカのレシピにみるメーカごとの「つゆ」の違い

そばレシピ、うどんレシピの項目は、それぞれのメーカのホームページに記述されているレシピから、500mlのつゆを作るのに必要なめんつゆの量を計算して割り出したものです。
キッコーマンの本つゆでは、そばレシピ1では500mlのつゆを作るのに62mlのめんつゆを利用しています。そばレシピ2では65ml、うどんレシピ1では62mlですので、ほぼ65mlあたりの製品を利用していることがわかります。
また、それぞれの横のグラム数はそのめんつゆに含まれる塩分量を表しています。
これをみるとわかるのですが、同じ500mlのめんつゆを作るのに、ミツカンの追い鰹つゆでは7.4gの塩分を利用していますが、創味ではなんと11.6gもの塩分を利用しています。
ということは創味のつゆでレシピ通りに作るとかなり塩辛いつゆができることがわかります。
メーカ別でみると、ヤマサ、ヤマキなどは比較的に濃い味のつゆでレシピを作っており、ミツカンは塩分少な目のレシピになっていることがわかります。
いつもミツカンの製品を利用している人が、創味のつゆを利用すると同じ倍率でも4gぐらい塩分量の差がでてくるので、かなり味わいが違うと思うことが想像されますね。

メーカのレシピにみるレシピの作り方が垣間見える

次に各メーカのレシピから、そのメーカのレシピの作り方を想像してみましょう。
わかりやすいのがミツカンです。
完全にどのレシピでも同じ割合になっています。
これは、このメーカが完全にレシピ間の整合性を取ろうとしているか、めんつゆの割合はこの割合ということでレシピを作る人の間で意思統一がされているだろうことがわかりますね。
整合性が獲れているのは素晴らしく、すべて同じ割合なので塩辛いのが好きな人はつゆ多めにするとか、塩辛くないのが好きな人はつゆを少な目にするなど調整が容易ですが、逆に言うと少し塩辛い具などが入るレシピなどに対する配慮がない可能性もあり、このあたりはメリットとデメリットが混在することになりそうです。
キッコーマンやヤマキは、ほぼ同じレシピですが、微妙に異なる製品があります。
こちらのメーカはしっかり実食して微妙な差異を付けているという可能性が考えられ好感が持てますね。
逆にヤマサのレシピはレシピごとにまちまちのつゆになっています。
こちらも、恐らくレシピを作った人が別々で、しっかり実食して味付けをしているのだろうということで好感が持てますが、逆にこれだけ味付けが異なるレシピがあると、自分の好みに合わせて調整するのが難しくなってしまうので、そのあたりがデメリットになりそうです。
にんべんは麺類に関するレシピがまったくなく残念です。
創味はそばのレシピがありましたがうどんのレシピはありませんでした。
創味は関西の会社なので、うどんに関しては白だしを使って作るのが常識なため、濃口醤油のめんつゆでうどんを作るなんて思いつかなかった可能性もありそうです。
このあたりはメーカごとの考え方の違いなどが垣間見えて面白いですね。

甘いめんつゆを塩辛くするには

甘いめんつゆが苦手なので、めんつゆ少な目で醤油をプラスして味を整えているという人も多いと思います。
そんな人のために、醤油からの換算割合を記述してみました。
「醤油からの換算割合」は、濃口醤油大さじ1の塩分量がめんつゆではどのぐらいの量と等しいのかを表したものです。
例えば本つゆでは、濃口醤油大さじ1の塩分量は、本つゆ大さじ1.2と同じ塩分量になります。
なので、少し辛口のつゆにしたい場合、例えば本つゆで作ったつゆに大さじ1の濃口醤油を入れたい場合には、大さじ1.2だけ本つゆを少なく入れれば食塩相当量として等価ということになります。
ミツカンの追い鰹つゆであれば、濃口大さじ1を入れるかわりに追い鰹つゆ大さじ2.7だけ少なくすれば同じ塩分量になります。
参考にしてみてください。

まとめ

このようにめんつゆにはメーカ別にかなり差があることがわかります。
同じ濃縮割合でも塩分量がかなり異なりますし、かけつゆに関しては、そもそも使用する倍率の範囲がかなり違います。
そのためいつもと同じ感覚で利用すると失敗することも多いので、特に塩分量などに注目して、どの程度希釈するか考えたほうがいいですね。